冬は海からやって来る。静かにそれを見ていたかった。
だが、友よ。人生を降りた者にも闘わねばならない時がある。夜、霧雨、酒場。本格ハードボイルド”ブラディ・ドール”シリーズ開幕!
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港町N市にある酒場「ブラディ・ドール」。店のオーナー・川中良一の元に、市長の稲村からある提案が持ちかけられた。その直後、弟の新司が行方不明になっていることを知った川中は、手掛かりを掴むために動き出す。新司は勤務先から機密事項を持ち出し、女と失踪している事が判明した。いったい弟は何を持ち出したのか!?そして黒幕は――。ハードボイルド小説の最高峰が、ここに甦る。
『さらば、荒野』は北方謙三のハードボイルド小説の代表作で、ブラディ・ドールシリーズと呼ばれる。主人公は港町N市にある酒場「ブラディ・ドール」のオーナー川中良一で、レーザーの研究をしていた弟が失踪したことをきっかけに、市長や暴力団、企業などの裏社会に巻き込まれていく。
銃撃戦やカーチェイス、船での海上チェイスなどのアクションシーンが満載で、テンポよく展開するストーリーに引き込まれる。登場人物も個性的で魅力的で、特に謎めいたバーテンダー藤木や主人公に想いを寄せる弟の妻美津子が印象的だ。
しかし、人が次々と死んでいく様は残酷で切なく、読後感はすっきりしないかもしれない。時代背景も感じさせる作品で、タバコやウイスキー、銃などが登場するシーンは現代社会とはマッチしないが、北方謙三の作風を代表する作品で、ハードボイルドファンにおすすめだ。
この本は、裏社会や政治の闇を描写しており、現実世界でも起こりうる問題を取り上げている。物語の中で主人公が困難に立ち向かう姿勢から、ガッツをもらえ!
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